山地民の間で住んでいた時の話。
町から村に戻ってくると、村の男が、さっき娘(5歳ぐらい)が、 「いまジャパ(ボクのこと)が、隣村に着いた」と言った、と言った。 「ジャパは町だよ、と言ったが、本当に帰ってきた」。 この村の男曰く、「これぐらいの年の子供には、不思議といろいろなことが分かる」のだという。 しかし、年とともに、そういうことはなくなっていく。 日本でも、タイでも、生まれて何年かに満たない子供は、完全に人間になっていないといった考え方がある。 命名も、しばらくたってから初めてなされる、という例もある。 昔のタイ人のあいだでは、生まれて3年だか5年だか7年未満のこどもは、「ピーの子」(精霊の子)と言われる、と何かの本で読んだことがある。 ピーの領域に(部分的に)いて、まだ完全に人間界のものではない、という意味だ。 日本の七五三も、子供がだんだんと人間になってゆくという考えに、たしか関係しているらしい。 ・ ・ ・ 老婆も、頻繁というわけではないが、高校生の頃まで、おばけ(「鬼」)を見ることがあった。 もちろん、子供でも、おばけが見える子と見えない子がいる。 老婆が、3,4歳のころ、死んだおじいさんの姿を見た。 6,7歳のころ、死んだ親戚を見た。 高校3年生のときには、死んだ先輩と、それとはしらずに、毎晩会話していた。 小学校4年生のとき、死んだはずのおばさんの姿を見たときは、老婆と祖母だけが彼女を見ることができた。 老婆によれば、「気」が弱っている時には、「鬼」を見ることが多い。 理由なく、とつぜん寒気がするときには、近くにお化けがいる(と老婆はオーストラリアで西洋人から聞いた)。 子供と老人とは、霊界に近しい存在といえる。
by kungyangyi
| 2008-01-27 10:10
| 台湾
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