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伍佰(ウーバイ)老師

いまネットで探しても、タイトルが見つからないが、ジャッキー・チェンが扮する香港警察が、若者ギャングと戦う面白い映画があった。
その映画の最後に、ジャッキー・チェン扮する警察官の子供の頃の思い出話が加えられている。
父子で香港にやってきたものの、金がない父親は、お腹をすかせた息子のために盗みを働いて、捕まってしまうというもの。
その父親役を、伍佰(ウーバイ)がやっていた。

伍佰は、台湾のロック歌手で、よく「伍佰老師」と呼ばれているそうだ。
名前は前から知っていたが、あまりまとめて聴いたことはなかった。

先日、田舎のボクの両親に、宝宝(3歳)と貝貝(2歳)を見せるために、帰省した。
飛行機代はたかいので、片道1000キロ弱を、車で行った。

一日中運転していると、眠くなる。
車内には、大陸中国から買ってきた、安いCDがあった。
ジェイ・チョウ、ジョリン・ツァイ、デビット・タオ、ステファニー・ソンなど。
午後遅くになり、「これが一番眠くならないわよ。元気だから」と、老婆(ラオポー)が取り出したのが、伍佰のCDだった。

なるほど、元気な歌だ。
「彼はRockerだから」と老婆は言うが、おじさんRockerだ。

聴いていると、メロディというか、曲の雰囲気が、日本の歌謡曲っぽい。
と思っていると、沢田研二の「時の過ぎ行くままに」の北京語カバーが出てきた。
歌謡曲に、演歌も混じっているような感じ、と思っていると、またなじみのメロディが出てきた。
「わ~ら~に、まみれてよぉ~」という歌のカバーだ。
三橋美智也の「達者でなあ」(?)という曲のはずだが、こういうのを選んでくるのが、面白いとおもった。

ということで、伍佰の元気な歌を聴いていて、それほど眠気に悩まされずにすんだ。

風貌も、曲の雰囲気も、泥臭く、田舎っぽく、オジサンっぽい。
伍佰は、北京語でも歌うが、台湾語でも歌う。
さっきの「わ~ら~に、まみれてよぉ~」は、台湾語で、それがまた曲と合っていた。
台湾語の曲のタイトルも、馬がどうのというそうで、内容も似ているのかもしれない。
伍佰の曲というより、「台語老歌」に数えられているようだ。

伍佰の北京語は、ボクが聞いても分かるくらい、台湾語なまりだ。
それが独特の雰囲気を出している。

伍佰は、ビビアン・スーが好きだが、ビビアンのほうも伍佰を尊敬しているらしく、曲作りを頼んだりしている。
あるとき、伍佰のコンサートに、ビビアン・スーが現れた。
「伍佰老師~」と甘い声で呼びかけると、伍佰は、「そんな風に呼ぶな。鼻血が出ちゃうよ」と言ったそうだ(爆笑)。

宮沢りえが、美しいヘア・ヌード集を発表した頃、ビビアン・スーも同じような写真集を発表した。
「すごい、きれいだったのよ」と、老婆は言った。

しかし、大陸でも伍佰は「紅」(大人気)だが、大陸人はどういう風に、伍佰を聴いているのだろう。
台湾語なまりは、どう聞こえるのだろうか。
by kungyangyi | 2012-09-21 04:03 | 台湾
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